「本当に、素敵…」
亜依は少し涙ぐんでいる。俺はパタンと本を閉じた。

「貴代子は…諦めたのか?だから自殺なんて…」
俺はわからなかった。
こんなにも強い心を持っているのに何故自殺なんてしてしまったのか。

「そんなの…本人しか
わかんないよ…。きっとそれ以上の苦しみだったんだよ。イジメは」

亜依は窓から見える空を見ながらせつなそうに言った。

「負けたら成仏するのか?」
「多分、ね。だけど貴代子は広斗と互角だよ」
亜依は強いまなざしで広斗に言った。