広い空の下






中学二年の私たちは仲良くお昼ご飯を食べている。






「そういえば」





バスケ部の主将の南野敦君の声にみんな振り向く。





それも、笑顔で。









その笑顔は、すぐに崩れることになるとも知らずに。








南野「今日のメニューは体力作りのため に、グラウンド百周をやってもら う。文句はないな。」









ピタッと、みんなが動かしていた箸が止まる。







そりゃ、そうか....








百周って....








なんて、思っていると....








小野「ひゃ、百周はねぇだろ....?」






と、小野が言う。







その言葉にみんなから笑顔が消えた。








南野「なんだい?拓篤?」









笑っているつもりなんだろうけど、目は笑っていない主将、南野敦君。









「ちょっと、その辺にしといてー?」






と、いつもはおっとりとしている
原亮太君が焦って言う。






「そ、そうですよ....僕はそのメニューに 不満も文句もありません。」








ウソ。



本当は体力ないのに賛成する木場大輔君









「小野ー!別にこのメニューで大丈夫だ ろー?」







と、大声でフォローする芦屋将太君。








南野「このメニューでいいな?拓篤。」











その言葉に小野も









小野「よろこんで....」







と、言ってしまったのだ。