「ふふっ」


 思わず笑っていると、頭に突然痛みが走った。



「いったぁー」


「なに笑ってんの、美喜」



 その痛みは、明らかに誰かに叩かれた痛みで。

 その犯人を、あたしはすぐに見つけた。



「優喜!いきなり何するの!?」


「えー、だって面白いから?」



 なにそれ……


 変な理由に、怒る気もなくなってしまった。



「もぅー……ふふふっ」


「また笑ってる」


「だって、優喜、おかしいんだもん」


「そう?まあ、喜んでもらったのなら嬉しいです(笑)」


「はははっ、敬語」



 そんな会話で楽しんでいると、入り口から声が聞こえた。


「おーい、そこのバカップルー!!早く来いよ!」


「うーみっ♪行こうよ」


 それは、松野君とマミコちゃんだった。

「バカップルって……」


 カップルでもないんだけど……


 そう呟いていたら、隣に居る優喜が大声を出して、


「おう!今行くー!」

 と言った。