それだけなのに、なんで?




「な、んで……い、じめるのぉぉおぉぉぉぉっ!!」





 助けて………ねぇ?








「はぁ……」


「美喜?」


「も、いい……」




 泣いて泣いて泣いた。



 優喜の腕をぎゅっと掴んで泣いた。



 涙のせいで、制服にはたくさんの丸いシミ。


 優喜の袖は、握りすぎてぐしゃぐしゃになっていた。



「ごめっ……ありがとう」


「いーえ♪」


「……あり、がと」


「いいって……ってか、どうしたの?聞いちゃいけないかもだけど……」


「ううん、大丈夫」



 優喜に言っていいの?