ピピピピ



『んぅ?もう朝ですか?って!私リビングで寝てしまったんですか!?』




昨日は眠すぎて寝室までたどりつけなかったのか...。


私はケータイのアラームをとめ、学校の準備をして学校に向かった。









「リコちゃあああん!」


『うわっ、どうしたんですか瀬奈ちゃん。』




校門の前で既に来ていたと思われる瀬奈ちゃんに抱きつかれる。




「ごめんねごめんねー!あんな変態にリコちゃんのアドレス教えちゃってー!」




瀬奈ちゃんは涙目でなんども私に頭を下げてくる。




『そんなに謝らなくていいんですよ。むしろ感謝しています。有山くんと話せるチャンスですし。』



「え!?リコちゃんってあの変態が好きなの!?やめときなよ!私はアイツの幼馴染みだから言えるけどさ!」




『・・・?好きではありませんよ?ただ友達になれるかも。と思っただけですよ。』




瀬奈ちゃんが有山くんの幼馴染みだということは知っていたけど有山くんのことこう思っているなんて知らなかったなぁ。


普段瀬奈ちゃん、有山くんの話しませんし...。





『あの、有山くんって変人なんですか?』



「え、今頃!?変人っていうか変態ぐむぎぅ!」



「ははは。そんなわけないじゃないか、久世さん。こんなぺちゃパイの言うこと信じちゃダメだよ?」




『ゆ、有山くん!?いつの間に!?』




気付けば背後に有山くんが。

瀬奈ちゃんは言葉を話し終える前にほっぺをむぎゅっとされていた。




「ぷはぁっちょ、なんでアンタがいるのよ!!てかぺちゃパイ言うな!この時点でセクハラしてるじゃないのよ!」






驚きすぎて口から心臓がでそうでしたよ。



・・・今の話聞かれちゃいましたけど大丈夫でしょうか?





「おはよう久世さん。驚かせてごめんね。おい、そこのぺちゃパイ何久世さんに吹き込んでるのさ。その胸揉んでやってもいいんだぞ?」




普段真面目な有山くんとは思えなかった。


ま、まるで別人じゃないですか...!



肩よりも少し短い白髪のストレートな髪を揺らし、メガネをクイッとあげる姿は優等生そのものだった。


それなのに・・・



変態だったなんて...!
・・・少し、で済むのかは知りませんけど。






「リコちゃん聞いた!?これがコイツの本性なんだよ!セクハラばっかしやがって...!変態っていうより、頭がイカレてるんしじゃない!?外見は真面目そうなくせに!皆にこのこといったらどうなんだろね!?」





瀬奈ちゃんが有山くんにポコポコと殴りかかるが有山くんは特にダメージをくらっている様子はなく、私に向かってニコニコしている。





・・・じゃれ合っているようにしか見えませんね。





「そんなことより。もう予鈴がなってしまうよ?早く校舎に入らないか?」



『そ、そうですね。』



ニコニコしているのに目は笑っていなくて。 怖くて返事を躊躇ってしまう。


詳しい話は後で瀬奈ちゃんにゆっくり話してもらうことにした。