家に帰っても誰もいなかった。
そりゃそうだろう。なぜなら私は一人暮らしをしているからだ。
逆に誰かいるのであれば不法侵入で通報しなくてはならない。
そんのは後免だ。
『はぁ...疲れました。』
リビングのソファにボフっと身体を預ける。
あぁこのまま寝てしまいそうだ。
ウトウトしていると近くにあったケータイのディスプレイがチカチカと点滅している事に気がついた。
・・・メール?
私は普段マナーモードにしているのでもしかしたらずっと前にメールが届いていたのかもしれない。
『まぁどうせ広告か、迷惑メールでしょうけど。』
私はメール画面を開いた。
届いていたメールはしらないアドレスから。迷惑メールだと思ったが一応メールを開いた。
ケータイの画面に映し出された文面は迷惑メールなどではなかった・・・。
<有山 貴史です。急にメールしてごめんね。霜山さんにアドレスを聞いたんだ。迷惑じゃなかったらアドレス登録しといてくれないかな?>
・・・有山くん?
有山くんといえばイケメンなのに少し変わり者と言われる人物。
私はあまり話さないから分からないけど。
それでも学級委員長を努めているのだからすごいと思う。
メールが届いたのはつい先程らしい。
アドレスを登録し
私はすぐさま有山くんに返信した。
<メール登録しました。えっと私はメールとかこういうのに慣れていないので返信とか遅れると思いますけど、気軽にメールしてくださいね?あと有山くんが私にメールしてくれるの少し驚きました。>
絵文字の顔文字もない少し寂しい文面。
私のアドレス帳には家族と瀬奈ちゃんのアドレスしか登録されていなかった。
そこに有山くんのアドレスが加わった事がなんとなく嬉しかった・・・。