STORY1【戸田蒼馬】


…午前、4時32分、


いつも通り起床。


寝起きの体の怠さと寝違えた首、

続きの気になる夢は強制終了され、

意識は現実に返された。



……何故いつも良いところで終わるのか…。


嫌々目を開け、近くに置いてある携帯を手に取ると時間を確認した。


「…眠い」


画面の光が眩しくて仕方が無い。


俺は片手で携帯をいじりながら、布団に潜り込むと、二度寝の態勢に入る。


なんでこんな時間に起きないといけないのか…


目覚ましのせいでもなく


家族に起こされる訳でもない。


昔からこの時間になると自然と目が覚めるのだ。


小さい頃からずっと…16年間も。


理由は分からない。


俺自身は眠くて眠くて、こんな時間に起きて良い事など一切無かった。


…昔は同じくこの時間に目が覚め、
家が隣の"千紗と悠希"…
この2人と窓から部屋へ飛び移って
よく遊んでいたんだが…



……こんな無駄に早く起きる必要ねえって。


まあこれが"いつも通り"なんだけどさ


午前7時にアラームセットした携帯をベットの隅に置き、俺は二度目の眠りについた。