大樹side


ムカつく、イラつく。

ザケてるだろ!?

叶、お前は誰が好きなんだ?

翔吾が好きなのか?

なら何で追いかけてきた。

何であの時泣きそうな顔で俯いた?

何で…、何でっ!どうして別れるの?なんて聞くんだよっ!!

俺は馬鹿だ。

結局最後は叶を捨てるのか。

バンッッッ!!

『大樹ぃっ!!』

ビビった。

しかもなんだよ、翔吾。

そんなに焦って。

『あっ…、あっあっ有栖がぁっ!!』

『か…ない?』

『有栖がぁっ!』

俺は焦れったくなって翔吾の肩を掴んだ。

『どうしたんだよっ!!』

『くるっ…『『『有海くんっ!!有栖がっ!』』』

『どうした?』

『車に引かれた。』

『有栖、大丈夫だよねぇ?』

『有栖、死んだりしないよね?』

『でも、出血量とかヤバかったって。』

『車に引かれた、だと?』

ヤベェ、俺のせいだ。

俺がいきなりあんなことを言ったから。

俺が…、生意気になり過ぎてたんだ。

全部全部、俺のせいだ。