でも…、決断の日はどんどん近づいて来ているのが私には知らなかった。
ある日、廊下で有海くんとすれ違った…。
いやすれ違おうとした、私は変に有海くんと距離をとってすれ違おうとしたら腕を強く引っ張られた。
『叶、なぜ俺を避ける?』
『別に…、避けてなんかない。』
ーーもう別れたいんでしょ?だから私は距離をおいてるんだよ。
『その腕…、どうした。』
有海くんは私の右腕を指した。
『……。』
『言え。』
『むっ…無理。』
『何で言えねぇんだよ。』
『無理なものは無理なのっ!』
『まさか…、麻美か?』
『っ!ちっ…違うっ!』
『麻美か。』
『違うって言ってんでしょ!!』
私は有海くんにこんなに怒ってる。
『何をされた。』
『刺されたんだよ。』
後ろから低い声が聞こえた。
『翔吾…。』
『なんで、翔吾が知ってんだよっ!』
『何でって俺が助けたからだよな?有栖。』
『うっ…うん。』
有海くんと翔吾が睨み合っている。
『叶、翔吾に惚れたのか?』
『えっ…?』
『俺より翔吾を選ぶのかよっ!!』
ーーだって別れたいんでしょ?
『ははっ、有海くんが言ったんじゃない、別れたいって。』
『はぁ?言うはずねぇよっ!』
『嘘言わないで、それに…
有海くんの彼女は私じゃない。』
『は?』
『麻美さんじゃない。彼女が言ってたわ。』
『マジかよ、なら俺が有栖の彼氏になるから大樹じゃあな。』
そう言って、私の肩を抱いてそっと教室へと向かった。