10分後…。

『叶、お待たせ。』

私は有海くんの声が聞こえたから振り返ると…、

『あっ…、有海くん!おかえ…り…。』

有海くんの右手には私がパンの中で1番好きなメロンパンが握られていた。

『ほれ、やるよ。』

『えっ…?でもっ。』

『大丈夫、大丈夫。俺、弁当あるし。』

『ふぇっ?じゃあ何で?』

『何でって、叶が昼飯無いって言うから。』

『あっ…ありがと。』

『どーいたしまして。』

『あのっ…、お金。』

『いらねぇ。』

『でもっ…、それじゃあ有海くんに悪いと言うか…。』

『いらねぇって!食べねぇんなら俺が食うぞ?』

『いえ、いただきます。』

有海くんって見た目は怖いけど、優しいな。

なんかモテる理由…分かった。

そんなことを考えながらメロンパンを食べ出した。