「お兄ちゃん…。」

耳を澄ませば聞こえてくる有栖の高く可愛い声。

俺は幻聴かと思ったが、さらに耳を澄ませばまだ続きが聞こえてくる。

「お兄ちゃん…、


さみしっ…いっ…よぉっ…。」

それは俺には有栖の心の叫びに聞こえた。

俺はまだ死ねない。

有栖を置いては逝けない。

絶対に有栖は俺が守る。

だから、もうちょっと待っとけっ!

絶対にそっちにいくからな。