彼とは有海 大樹…、私達が通う天の上高校の王子様。
そして天宮麻美が天の上高校のクイーン…。
天の上高校では代々王子様の彼女がクイーンになる風習がある。
何でそんなのに無縁な私が身代わりかって?
それは…、ただ私と麻美さんが似ているから。
ただそれだけのこと。
私はそんなのやりたくなかった。
でも王子様の命令に背けば、私は確実に1人になる。
まぁ1人になろうがどうでもいいから断ったら、私の親友の愛梨を棚に上げて来た。
愛梨とは背はそんなに大きく無くて、でも手足はすらっと長くて、そして顔が小さくて、ぱっちり二重にスッと通った鼻、桜色で少しうすめの唇の誰が見ても認めるほどの可愛さの女の子。
だからきっと私が近くに居たら、私が見劣りするんだけどね。
でも愛梨は人一倍警戒心が強く、人見知りだ。
だから可哀想だったから。
私は仕方なく引き受けた。