『…す?……あり…す。…有栖っ!』

『ん?』

私はゆっくり目を開けた。

すると目の前にはお兄ちゃんの顔。

『うわっ!!』

ーゴツっ…。

私はびっくりして後ろに反り過ぎて頭を打った。

『痛っ!』

『あはは、頭打つとかドジ過ぎ。』

お兄ちゃんはお腹を抱えて笑い出した。

私は周りを見回した。

すると離陸する時は満席だったはずなのに、今は数えられるほどしか居ない。

『お兄ちゃん!!みんなは!?』

『っ!そうだっ!着いたぞって言おうとしたんだった。』

『もうっ!!早くおりよっ!』

私はお兄ちゃんの手を引いて飛行機から出た。