あと2日余りで少しで約束の一ヶ月になるという頃、再び事件が起こった。
それは、突然起こった。
『はぁ、はぁ、有栖!!飛鳥見てねぇか?』
『ううん、見てないけどどうしたの?』
『飛鳥が居ねぇんだよ。』
『私も探……』
ーープルルルルッ!
ーープルルルルッ!
『はい、もしもし。』
私も探すと言いたかったのに、電話の音で遮られた。
『えっ!!何処の病院にいるんですか!?』
……病院?
まさか……、飛鳥ちゃんに何かあったんじゃ…。
『分かりました!すぐに行きます。』
『だっ…大樹!』
私も連れていって欲しくて、咄嗟に大樹の腕を掴んだ。
『何だよっ!』
『私も連れてって!』
『無理だ、これは俺らの問題だ。』
『でもっ!』
『うるせぇっ!!俺は急がねぇといけねぇんだよ!!今は連れて行けねぇ!!』
『………。』
『悪いが飛鳥の方が大事だ。』
ドクンッ。
飛鳥ちゃんの方が大事……。
『つか、離せって。』
大樹は私が腕を離す前に、振り払って走っていってしまった。
私はその反動で尻餅をついてしまった。
でも、私の頭には……
飛鳥の方が大事。
と言う言葉がフリーズされていた。