あたしはぱっと立ち上がって、笑い声が聞こえたほうを向いた。

そこには、明るい茶髪の男子がいた。

「めっちゃ漫画みたい」

あたしの顔をしっかり見て言った。
そして、何かの発作が来たようにまたひとしきり笑うと、あたしがぶつかった図書室のドアに向かって歩くと、
ガラリとそのドアを開けた。

「図書室、行くんでしょ?ほら、どうぞ?」

あたしのほうを向いてそう言う笑顔に、不覚にも、ドキッと胸が鳴った。