あの時は、恥ずかしかったなあ
結城君、かっこよかったな。
そういえば、あのあと見てないな。
もう一度、会いたい。
あの時、確か結城君は何て言ったんだっけ。
「女の子何なんだから」
得体の知れない、甘い感情があふれて来る。
あたしの、小さい頃に、同じ事を言われた事がある。
転んで、膝を擦りむいた時、誰も助けてくれなくて、泣いてた。
そんなあたしに、絆創膏をはってくれた、橙色のパーカーの男の子。
「気を付けなきゃ、女の子なんだから。」
声が、1年前の言葉とかさなる。
きゅんと、胸がうずいて、止まらない。
まだあたしは知らない。
あれが一目惚れなんて。