「穂乃華ちゃーん!行くよー」

「あ、うん」



手をブンブン振って
あたしを呼ぶ雫。

雫は…、


恐らく何も気づいてない。



「ね、穂乃華ちゃんは何乗りたい?」

「あたしは絶叫系なら何でも」

「ぜぜぜ絶叫系?!」

「え、雫怖いの?」



雫と会話をしながら

チラッと雫の横に居る
弟くんを見た。


優しい目で
愛おしそうに

雫を見つめる陸がそこに居て。

穂乃華が陸から視線をそらす。


その目は、

“姉”に対する目じゃない…



“愛する人”に対する目。