その翌日。


廊下で町田とバッタリ会った。

すれ違いざまに…


『…お前が、あの女を動かしたんだろ』

『何のこと?』

『とぼけんな!お前…、そんなに姉を取られたのが悔しいのかよ!』

『でも、その女とキスしたのは…お前だろ』

『違う!あれはあの女が勝手にしてきて……』

『それは、お前に隙があった…ってことなんじゃねぇの?』



俺の言葉に
グッと唇を噛み締める町田。

その姿を冷めた目で見つめる。


もう充分だろ。
半年も雫と一緒に居れたんだ。


俺が叶えられない“彼氏彼女”として。



『お前が、悪いんだよ』


そう言って俺は
その場から立ち去った。


だからこの時はもう、
大丈夫だと思ったんだ…

なのに…



『俺、まだ雫ちゃんが好きだから』



またあの時みたいに
雫を奪われてしまう───…