「ああ…と、悪いね!俺コイツと今から講義だから!」

「あ、ちょっ…!」



すかさず飯田が助け舟。

陸を引っ張り出して
女子の輪から抜けた。



「…お前はバカか!あんなもん、すぐに交わせよ」

「だって、しつけーんだもん。俺が動いたらアイツらもゾロゾロ着いて来るし」

「………俺には嫌みにしか聞こえねぇよ。つか、こんなとこ雫に見られてたら………あ、」

「ん?何?」



飯田がギクリと
前を見たまま固まった。

それに陸も
飯田の視線を追いかける。


そこには、


──────頬を膨らませた、雫。