それから2年後、


「雫ー、講義遅れるわよ」

「あ、穂乃華ちゃん待って」

「もう、何してるの」


無事に大学に合格したあたしは
穂乃華ちゃんと同じ学部に在籍していた。


大学構内に入ると、
たくさんの人が行き交っていて。

高校とは全く違う環境に
あたしは心を許してた。


だって、

あたしと陸が双子だなんて
知っている人は少ないし、

高校と違って大勢人が居る中、

誰と誰が付き合ってるなんて
噂は飛び交わない。



「あ、弟くん発見」

「!」



ただ一つ気にくわないのは…



「濱中くーん、この後どこか行かない?」

「ああ、ごめん。バイト」

「ええー、じゃぁあたし達バイト先に遊びに行くよ」

「んー、それはダメ」



相変わらず陸はモテること。

大学に入ると
女子が増える分尚更。


雫の頬がプクッと膨らんだ。