「…雫?」

「…何で、あたしに推薦のこと言ってくれなかったの?」

「……誰かに…聞いたの?」

「あたしが馬鹿だから?」

「は?」

「あたしが馬鹿だから、可哀想に見えたの?」



雫の肩が
震えてるのが見えて。

陸がそっと近づいた。



「ち、がう…こんなこと言いたいんじゃないの。自分が、腹立だしくて…っ、情けない…」

「………」

「皆、あたし達を守るために努力して頑張ってくれてるのに、あたしは何も、出来てない…」

「………」

「だから思ったの。同じ大学に受かることが、あたしに今出来る精一杯のことだって」



泣きながらそう話す雫に
陸が困ったように笑った。

雫の真っ直ぐな気持ちに


─────胸が締め付けられる。