自宅。
時刻は23時過ぎ。

陸が雫の部屋のドアを
そっと開けた。



「…何してんの?」

「勉強してるの」



陸が夜這いのつもりで
雫の部屋に入ると、

そこで目に入ったのは
勉強机に向かって座ってる雫。


雫が自分から勉強をするなんて
珍しくて。

何があった、と
陸が首を傾げた。



「…教えようか?」

「大丈夫」

「……なんか、怒ってる?」

「怒ってない」



雫の言葉にトゲがある。
陸が顔をしかめた。


「…怒ってんじゃん。何を怒ってんの?」

「………」