「…幸くんもR大なの?」

「だーって、あたしが雫と離れたくないって言ったら“俺も一緒の大学行く”って言うんだもん」

「へぇ、愛されてますねぇ♪」

「ちょっと茶化さないで。飯田くんもきっと、弟くんと離れたくないのよ」

「………」



あたしと陸が禁忌を
犯すと決めたあの日から

ずっと2人はあたしたちの
側に居て見守ってくれてる。


でも、



「……あたし達のことで、無理はしないでね?巻き込んだのはあたし達なんだし、幸くんも穂乃華ちゃんも自由にしていいんだよ?」



2人が犠牲をはらうたび
あたし達は心が痛む…

2人の人生を道ずれにしてるような
そんな気分になって、


申し訳なく思う。


けど、


あたし達が頼れるのは
2人しか居ないのも事実で。


雫がきゅっと唇を
噛み締めた。