スッと薬指に何かを嵌めた。


「え?」


雫の目が見開く。
思考が停止した。



「良かった、ピッタリで。…誕生日、だいぶ過ぎちゃったけど」

「っ」



あたし達の誕生日は、

────7月で。


陸と色んなことがあったあの時期に
過ぎ去ってしまっていた。



「内側にさ、ルビー埋め込んでもらったんだ」

「………」

「…雫が、俺たちのこと“運命”だって、そのネックレス大切にしてくれてるでしょ?」

「………」

「神様の前では誓われないけど、雫には誓う。ずっと一緒に居る。何があっても、雫は守るから」



雫の目からポロッと
涙が流れた。

陸の言葉と

指輪がキラキラと眩しくて。