「今日さ、芹沢から…聞いた?」

「……うん」

「そっか…」



何の話かだなんてお互い
わざわざ口に出さなくても、解る。

雫が陸にしがみつくように
服をぎゅっと握りしめて。



「…でもそれで陸と居れるなら、あたしはいい」

「………」

「陸と、居たい…」



雫の言葉に陸が
そっと目を瞑った。

それは俺も同じ気持ち…




「俺も…雫と居たい」

「ふふっ」

「…何?」

「同じ気持ちってことが、幸せだなぁって」

「っ、」



言葉が詰まった。

こんな状態でも
幸せだと言ってくれるなんて…