「大丈夫ですか?って言われて何言ってんだこの子って思った。
そしたらハンカチ渡されてさ、
泣くつもりなんて全くなかったのに、
俺、あの後、電車で号泣しちゃったよ。
入学式の間もずっと忘れられなくて、どこの子だろうと思ってた。
しっかり制服見てればうちの高校だってわかったんだけど、それだけ余裕がなかったらしい。
クラスで見たときビックリしたよ。
ああ、早百合っていうんだ。
毎日お前のことばっか考えてた。
最初ひとりでいただろ?
めっちゃ心配だったし、でも、どうしてやることもできないし。
そんなこと考えてた。
でも次の日見たらちゃんと周りに友達が居て、安心したと同時に焦ったよ。
冬真と仲がよさそうに話してたからね。」