「後からその子の母親に聞いた話なんだけど、冬真は毎日その子の家に行ってたんだって。


最初の方は帰ってとか、来ないでとか言われてたらしい。


けど、毎日行ってたらおはようとか、こんにちはとか、挨拶してくれるようになって部屋にも入れてくれるようになったんだって。



でも1日経つたびに俺に似てくる冬真を見て、その子突然、気が狂ったように俺の名前呼び続けたんだって。




冬真は傷付いて傷付いて、でもその子のことまだ好きだったから次の日もその次の日も家に言ったんだよ。




でも、もう、俺の名前しか呼ばなくなったんだって。



挨拶も何もしてくれない。


その子の母親は申し訳なくって冬真にもう来なくていいって言ったらしい。




その日の夜かな、俺のところに来て


泣いてたよ。


ぐっちゃぐちゃになって言われたよ。


"お前のことは好きだし感謝してる。だけどもう、今まで通り接するのは無理だ。全部がお前のせいってわけじゃないけど、俺はお前の顔を見ると胸が苦しくなる。"



って。」