「それでも、楓ちゃんが責任を感じるなら……」

裕ちゃんのお父さんはその先の言葉を濁す。

「裕也の分まで生きてくれないか…?
きっと今の楓ちゃんには酷なことだと思う。それでも、私は楓ちゃんに生きていてほしい…裕也もきっとそれを望んでるはずだから…」

どうして…なんで…

「私…裕ちゃんのことっ……ずっと好きだったんです…。
なのに……」

私は裕ちゃんのお父さんに心の内を開けた。
裕ちゃんに話すことが出来なかった恋。もう行き場のない想いを…。ずっとずっと昔から大好きだった想いの丈を…。
裕ちゃんのお父さんは何も言わず私の告白を聞いてくれていた。
そして、

「裕也もね、楓ちゃんのこと好きだったと思うんだ。
いつも楓ちゃんのことを語ってて、幸せそうにしてたからね……
だから、裕也のいなくなった後私が楓ちゃんを助けてあげれなかったら、裕也は絶対お父さんのこと許さないと思うから…楓ちゃんには裕也の分まで生きてほしいんだよ。」


裕ちゃんのお父さんは、震える私の手を取りながらそう言った。裕ちゃんのお父さんによって包まれたては温かくぬくもりに溢れてた。