(巻1ー21)

紫の匂へる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我恋ひめやも(大海人皇子、後の天武天皇)



「大意」

紫のように美しいあなたが好きでなかったら、人妻と知りながら、私はどうしてあなたに心惹かれたりしようか。



薬狩りの折り、額田姫王が大海人宛に詠んだ歌に大海人が返歌したと言われる。



この2首をめぐって天智、天武両天皇との三角関係を想定されている。



十市皇女の出生後、天武天皇の兄である中大兄皇子(天智天皇)に寵愛されたという話もあり、万葉集の歌を巡る逸話は女性だけで有名な歌劇団の舞台「あかねさす紫の花」も上演された。




斉明6年(660年)。

朝鮮半島の百済(くだら)が、新羅(しらぎ)と唐によって侵略され、日本は、この支援要請を受けて軍を出立させる。



時の天皇は斉明天皇(さいめいてんのう)。