お父さんの部屋は生前とあまり変わらなかった。


変わったところと言えば埃を被ったりしてるとこだ。


部屋の隅に置いてあったもの。


それがお父さんのギター。


私はふたを開けた。


とてもキレイだった。


まるで新品のよう。


このギターはお父さんが命並みに大事にしていたものだった。


お父さんのギターを持って、遺影の前に行く。


小さく息を吸った。


「お父さん…。私、夢ができたの。
世界に絶望してたのに。」


ギターを優しく撫でた。


「それでね。その夢を果たすのにはお父さんの力が必要…。」


「だから…」






「お父さんの力を借ります‼︎」