「入ってきたのは嬉しいんだけど…もしよかったら入部理由を教えてもらえるかな?」


「えっ。」


唐突過ぎて戸惑ってしまう。


今までのこと全部話した方がいいのかな。


きっと話した方がいいんだと思う。


昔からの勘だ。


「いいですよ。」


先輩にすすめられて私は椅子に座った。


先輩方は私を囲むように私と同じように腰掛けた。


「すぅっ…」


大きく深呼吸をした。



今までのことを全部話した。
お父さんが死んだこと。
大切な彼氏ができて毎日が幸せだったこと。
大切な彼氏と一緒に生きようと笑いあったこと。
大切な彼氏が去ったこと。
私が人生を諦め掛けたこと。


そして今、ここにいること。


全部全部話した。


私は時々、涙が溢れそうだったけど堪えた。


だって目の前にある幸せが見えなくなりそうで怖かったから。


それでも先輩方は相づちをしながら聞いてくれた。


先輩方はただ一言〝頑張ったね、お疲れ様。〟
と言ってくださった。


そうだ。まだ、頑張るべきことはあるんだ。


夢に向かって頑張らなくちゃ。


そう思うと今生きていることが嬉しく、楽しく思えた。