いつも私が体を休め、先程ベッドンをされた場所に弟――蓮は寝ていた。
そう。気持ち良さそうに寝ていた。
「…え」予想してなかった出来事に思わず口がポカンとなる。
時計を見ると7時40分。
8時には出ないと間に合わないのに。
起こしてやろうと思ったけど、あまりにも気持ち良さそうに寝ているから気が引ける。
―――あっ
私は先程、自分がやられたことを思い出した。
まだ早いのに、ワイシャツがどうのこうのでしかも上半身裸でしかも私をからかって起こした奴。
やり返すと思うのならば気も引けないし良心も痛まない。
いっそのこと倍以上の苦しみを味あわせてやろう。
春の眠りを妨げられる苦しみを。
やられたらやり返す。そう、倍返―――
そう言い聞かせて布団を勢いよく引っ張った瞬間、