急いで階段を降りて朝食の準備へ。

相変わらず静まったリビングには音が無くて、自分の耳がおかしくなったのかと心配するほどだ。



私の家庭は両親が共働きで、どちらとも朝早くに出て夜遅くに帰ってくる。

その為会えるのはたいてい日曜日くらいで、家族と言っても過ごす時間は友達より少ない。


だから生活の大半は私―――一ノ瀬莉子と弟、蓮の二人暮らしのようなものなのだ。