「顔怖いですよ。莉子さん」

少しハスキーな声に誰かを悟った。


「奏くん!」


切れ長の瞳の下には泣きぼくろ。

髪はうっすら茶色で少し長め。

まるで外国人の様なその好青年。

赤松 奏。

蓮の幼なじみ兼ご近所さん。


まあ、私のでもあるんだけど。


「おはようございます。莉子さん。何かあったんですか?」


相変わらず礼儀が素晴らしい。


蓮の奴に爪の垢ぜんじて飲ませてやりたいよ、全く。