腕を何かに引っ張られ、逆に布団の中に入る。


一瞬の出来事すぎて声もあげられなかった。


反射的にに閉じた瞼をおそるおそる開くと


「姉貴~誘ってんの~?」


弟の気持ち良さそうな寝顔は普段の活動モードへ。


何よりも驚いたのはその顔の近さで。

鼻先はもうくっつきそうな距離だった。

「………っ」私は何も言えなくなっていた。



「朝からスケベだなあ。姉貴は。つーか兄弟プレイとか、2次元かよ~ハハッ。まあ、とにかく朝からアレするのはちょっとかんべ」

バシンッと重い音が部屋中に鳴り響いた。

いいところに辞書を配置した自分を誉めてやりたい。心から。

「~~っ知らない!」



急いで布団から出るとそれだけ言って私はクローゼットから制服とワイシャツをとって部屋を出た。