「看護婦さん、いい人だなっ!飯もうまいし!」
「そうだね。確かにいい人」
「でも、雪の作った飯がいいなっ!」
そういってニカッと笑うトラ。
「じゃ、近い内先生に許可もらって家に一旦帰ろ?んで、ご飯つくってーって」
「よし、そうするかっ!やりたいこととか考えとけよーっ?」
「うん、わかった。了解」
「その時はどこにいこっかな♪遊園地?水族館もいいな〜♪」
「おい、あくまで真梨亜ちゃんのためだからね?真梨亜ちゃんの行きたいとこにしてよ?」
「えー…まあ、うん、わかった…」
「あ、ドラマ始まるぞ」
《早く病室に戻らなきゃ。遅くなると体にも負担かかる……って、何で私のベッドでくつろいでるの?ミヤ》
《お!おかえりー、梨花!》
《今日は疲れてるから休ませて。それに、明日会社で大事な会議があるんでしょ?寝たら即クビよ。社長、厳しいもの》
《そうだった!!うわー…》
《早く帰って寝なさい》
《そうするわ!んじゃ、また明日な!》
《うん、明日》
魅夜都は病室を出て行った。
《明日まで………生きられるのかな…》
そういって何かを書き出した。
しばらくして梨花の様子がおかしくなった。
《くる……しっ………!!》
ナースコールを押し、看護婦さんや
先生が入ってくる。
処置をしても症状はおさまらない。
そこに魅夜都と怜が来た瞬間、
機械音が病室に響いた。
《………午後7時23分……ご臨終です…》
その声を聞いた二人は
泣き崩れて泣きやまなかった。