「恋夜とも…きっちり話さないとな」
前は逃げたけど…ちゃんと。
伊野さんにも冷たくしたこと謝らなきゃ。
俺はトラにメールを送っておいた。
『明日、着替えいくつか持ってきて』
さっきいいそびれたし。
トラ、用事っていうのも嘘なんだろうな。
知らないふりしとこ。
トラがもっと考えるかもだし。
トラは見た目によらず
悩みやすいやつだしちゃんと見とこ。
トラは…考えなくていいのにな。
そういっても悩むんだろうけど。
逃げてた日々から抜け出して
ケリつけなきゃね。
数日あけてから恋夜に連絡しようかな。
今は体調も良くないから
気付かれる可能性高いし。
「もう…迷惑かけないようにしなきゃね」
トラにも、恋夜にも。
コンコン ガラッ
「雪くん、具合はどうだい?」
「少し気分が悪いかな」
「そっか。あ、入院費とかは気にしないでね?私が負担するよ」
「え、いいの?」
「あぁ。お母さんにもお世話になってるしね。ゆっくり休んでね」
そういって出て行った。