「あ、いた。トラ…」

あれ、先生と話してる?

近くに行って隠れて話を聞いた。

「何でですか!?何で雪を…!!」

「入院しなきゃ、危ない状態なんだよ。もしかしたら…亡くなるのも近い」

「まだ何週間かあるじゃないスか!!」

「……検査したんだ。もう…いつまでもつか…わからない」

…………いつまでもつかわからない。

そっか、もう時間がないんだ。

早く…やり残したことやろう。

早く…早く…早く…。

ポロッ

あれ?何で…涙が?

涙が止まらず、ずっと流れている。

…………辛いなぁ。

俺は二人に気づかれないように戻った。

俺はその日、強く願った。

生きたい、と。

こんなに辛いならいっそのこと……。

いや、そんなことダメだ。

考えちゃダメ。

生きるって決めたんだ。

どんなに辛くたって生きる。

その先にきっと……光が待ってる。

信じて……生きなきゃ。

苦しくたって笑って。

強くありたい。