ドクンッ

「くはっ………!!あっ……うぁっ……!!」

苦……しい……っ!!

なんで……こんな時にっ!!

さっきチャイムが鳴ったし人はいない。

こんな……とこでっ………死にたくない…!!

誰かっ……!!

視界がどんどん霞んでいく。

まるでモヤがかかったみたいに

見えなくなる。

意識が遠のいていく────。



「……き!!……雪!!雪っ!!」

「と……ら…?」

「雪っ……!!死ぬかと思ったっ……!!」

周りを見ると、保健室ではない。

………病院か。

「トラ、心配かけてごめん。何があったか教えて?」

「……チャイム鳴っても帰って来ねぇから体調悪いっていって探してて。んで、階段で見つけたら…倒れてっし。揺らしても起きねぇし…冷てぇし…!!」

そう言って、涙を流した。

「んで、保健室の先生に病院に送ってもらった。保健室の先生以外は何も知らねぇから気にすんな」

そういっている間も泣いてるトラ。

「トラ、泣くなって」

「だって…!!1ヶ月しか生きれねぇっていわれて…!!入院も…必要だって…!!いつ死ぬかわかんねぇんだろっ…!!」

「トラ……」

「もしかしたら今日かもしれねぇ、明日かもしれねぇ…!!」

そんなトラを俺は抱きしめた。

「大丈夫、俺はトラがいないときに死なない。トラの知らないとこで死なない。約束するから」

「破ったら許さねぇ!」

そういって笑った。

「うん、約束」

辛い思いさせてごめん……。