その後、数学の小テストを終え、
教室で過ごした。
俺が拒否したことに驚いたのか、
恋夜は俺には話しかけてこない。
「トラ、ちょっとトイレ行ってくる」
「おう!もうすぐ授業始まっから早くしろよー!」
伊野さんに会わないといいけど。
廊下を歩いてトイレに向かう。
「あっ、雪くん!」
あー、見つかった。
次は何いわれるんだろ。
「なに?伊野さん」
「あのね!この前の話なんだけど…」
「何で?俺別れたよね?なのに何で付き合ってないの?」
「あ、あのねっ……」
「まあ、もうヨリ戻すつもりないし。伊野さん、頑張ってね」
そういって通り過ぎた。
「れ、恋夜は雪くんのこと…今でも好きだよっ……!!」
「………どーでもいいよ、そんなこと」
俺は冷たい笑顔を向けた。
「……((ビクッ」
「幸せにしてあげてよ……桐咲のこと」
もう……名前では呼ばない。
好きだけど…だからこそ
俺ではない誰かと幸せになってほしい。
俺はトイレには行かず、屋上に向かった。
上へ行くため、階段を上る。