「あぁ。起きましたか。私、主治医の加藤です。」

部屋に入ってきたおじさんはそう言った。

「では、傷を見ますね。」

え?傷?何が?

まず病院にいる意味がわかんない。

「わたしはどこか怪我をしたのですか?」

「覚えていないのですね。あなたは競技場で怪我をして、運ばれてきました。」