一瞬戸惑った顔をしつつも、彼は直ぐに思い出したかのように目を見開いた。

「あぁ!ワックの店員さん!!」
「そうです!!来てくださってありがとうございます!!!」
「いえいえ!ごめんうるさかったでしょ?笑」
「いや、楽しそうだなーって思ってましたよ笑、かっこいい人だなーって笑」


私、気になったらトコトン自分から行くタイプなんですが、

言ってしまうと、この時既に彼の事が好きでした。
何というか、なんとなく?
今思うとそうだったかなーって思うくらいなのですが笑


しかし、私には彼氏がいました。

その彼には傷つけられていて、私自身浮気もしていて、もうどーでもいいやー、所詮私の青春なんてこんなもんって思っていた時に、彼と出会えたんです。


おっと、話がそれました。
そう、今は体育祭予行練習です。
といっても出番はそうそうなく、
早速趣味や好きなこととか、色々話し合っていました。

その時、それぞれ組の色のハチマキを持っていたのですが、リボンとか、ネクタイとか、色んな巻方をしている人がちらほら。
私もネクタイをしようとしたのですがどうも上手くいかず、苦戦していました。

「これ、ネクタイってどうやるんですかね……?汗」

そんなこんなしていると、あの先輩が。


「あぁ、これ?……やってあげるよ。」

と!!!!!!
普通に前から結んでくれるのかと思いきや、後ろから結んでくれたのです。

いやぁ、あの時確信しました。
こいつチャラい。

「うわぁ!ありがとうございます♪」

なぁんて可愛子ぶってみたりしたけど、内心ぜんっぜん余裕なくって………
ずっとドキドキしてました。

すると他の子が、「私にもやって下さいよぉ〜笑」なんて言うもんだから、
あぁ、やってあげるのかなぁって思ってたら……

勿論その子にもちゃんと教えてあげてました。
しかし何が嬉しかったって、後ろから結んでくれたのは私だけでした。
他の子には前からだったり、口頭だったり、男の人って大体気になってる人にしかそうゆうことしないんじゃないかなぁって思っているとすごく嬉しくなりました。