「うるさいっ!あなたには関係ない!」


チラリと見えた花蓮の目は警戒心をむき出しにして…怒っている。
大人しかった花蓮が怒鳴るように大声をだしていた。


「私の気持ちしらないくせに…っ!勝手に言わないで…っ⁉︎」


ガタッ。ドサッ…。


花蓮が瞳を大きく見開いたかと思うと、次の瞬間、大きな音をたてて、崩れ落ちた。
花蓮は起き上がらない。
それどころか、荒い息をたてている。
俺は咄嗟に花蓮の元へ駆け寄った。


「お、おいっ⁉︎どうした⁉︎」
「花蓮ちゃん!太陽、看護師さん呼んできてちょうだい!」
「あ、ああ!」


慌てる俺に、ばあちゃんは、何度も見てきたかのように、花蓮の頭を上に向かせた。
俺はばあちゃんの言う通り、近くにいた、看護師を呼んだ。


看護師はぞくぞくと人を呼んで、花蓮の処置にあたりだした。
俺の耳に微かに聞こえ出したのはその時だった。


ヒューヒュー…


風が吹いているような音。
でも、苦しそうな声も少し混じりながら俺の耳に届いてくる。