「俺は太陽。朝倉太陽。よろしく」


俺は笑顔を浮かべて自己紹介をした。
だが。
花蓮はツンとした表情になり、また瞳を逸らした。
だから、俺が何したんだよ…!


「ばあちゃん。こいつも入院してるやつ?」
「そうだよ」
「へぇ。…俺とそんなに年変わらなそうだから、骨折かなにか?」


自分で骨折と言っておいて、花蓮はどの部分にも包帯を巻いていないことを後から知ったが訂正はしなかった。
俺の質問に、ばあちゃんは苦笑を浮かべるだけで答えない。
すると、花蓮が膝の上で拳をきつく握りしめたのがわかった。


「どっか悪いのか?それなら、俺が病室までーー」


ガタッ…!


俺が花蓮に最後まで言い終わるうちに、ひときわ大きい音を立てて、花蓮が立ち上がった。