ここは東院立病院。あたしはここの125号室に入院している。

1人部屋のため、いつも静か。

あたしは長いことこの病院にいるから、いろんな人を見てきた。

いつか近いうちにも、あたしに死の淵が来るんだと知らされる。


「あ!花蓮おねぇちゃんだ!」
「花蓮ちゃん、動いて大丈夫ー?」
「大丈夫です。だいぶ良くなりましたから」


病室を出て、広いロビーに出ると、小さな子供からお年寄りがちらほらいた。

挨拶を交わしながらあたしは先にある白い扉を目指す。

透明なガラスから見えるのは見知った面影。


「んっしょ」


ちょっとした気合いと共にかたいドアノブを回す。

扉を開けた途端、びゅうっと風が通り抜けた。