「そんなこと、言うな花蓮」


 太陽が言う中、花蓮は漆黒の瞳に何も写してはなかった。
 そして、太陽は大きな声を出してもう一度言った。


 「んなこと言うんじゃねぇよ花蓮っ」

 「――っ!!」


 その大きな声は、花蓮の耳に届いたようだった。
 漆黒の瞳にから元のきれいなオレンジの瞳になっていた。
 瞳を大きく開き、太陽の姿がくっきりと写されていた。


 「そんなこと、言わないでくれ……」
 「……。関係ない」


 太陽の瞳に溜まった綺麗な涙は、すごく切なかった。
 けれど、花蓮の答えは意外なものだった。
 ピクっと動いた太陽の肩。花蓮はしんどそうに起き上がると、点滴していたものが大きな音を立てて落ちた。


 ガシャン――――――……。