小鳥のさえずり。
風の音。
静かな病室に響く音。

あたしは窓から差し込む日差しに目を細めた。
窓からはまだ少し冷たい風が入ってくる。
読んでいた本を静かに閉じたあたしは、ベッドから出ると、冷たい床に足をつけた。


「冷た…」


流石にこの冷たい床に足をつけて歩くのは嫌だな。
スリッパを探して降りようとするものの、肝心のスリッパが見つからない。


「あれ?どこ置いたっけ〜?確かこの辺に置いてー…きゃあ⁉︎」


ドンッ!


ベッドの下に顔を覗かせたあたしは、派手にベッドから落ちてしまった。