僕は屋上のコンクリートの上に出すと彼女のポケットのタバコを抜き取り、火をつけた。
彼女は何もいわず息だけ切らしていた。
煙をおもいっきりすいこむと彼女の顔向けて吐いてやった。
彼女はめをつぶり、僕の足を力なく蹴る。
めをこする彼女は本当に泣いているみたいだった。
僕は彼女のほっぺたを叩いた。赤くなった目やらほおやら鼻やらを押さえて彼女は僕を睨んでいる。
愛おしさでいっぱいだった何かがはじけてこぼれた。
僕は今度こそ元にすら戻れないと確信した。
彼女の長い髪をつかんで壁にぶちつけた。
にぶいおとがして彼女は鼻血をだしながら僕を睨んでいる。
うなりながら僕からにげようと僕の手をつかむ。
長いつめが皮膚にくいこんでくる。
僕は髪から手を離し、今度は首に手をかけて壁に押さえつけた。
またほっぺをたたいていく。
パチッ、パチンとかわいらしい音を出す。
愛しくてたまらなかった。
口の中に指をつっこむ。生暖かい唾液が口のはしから零れ落ちる。
それは少し赤くて、制服におちて赤い斑点を浮かばせる。
彼女がまた顔を上げ僕を睨む。
「いたっ。」
僕指をひっこめた。
やわらかいほうの皮膚に彼女の歯型がついている。
僕は彼女の頭をおもいっきりなぐりつけた。彼女はまた壁に頭をぶつけ、くずれ落ちた。
心臓がドクドクと鳴って、体は熱くなっていた。
噛まれた指先はひりひりとした。
愛憎がこぼれおちた。太陽がにじんだ。
僕は深く息を吸い込む。そうしてゆっくり彼女の首に手をかけた。
彼女の細い首は涙とよだれで濡れていた。
僕は一気に締め上げた。