「似合うかな……」
彼女の名前は時華 神夜(ときはな かぐや)

今日は年に一度の花見祭りの日、
いつもより早い時季に行われる花見祭りは
人の心を湧きたて遠くの町からも人がやってくる。

「すごく似合ってる!かわいいなぁ神夜は」
「やめてよ!詩穂の方が可愛いじゃない!」

神夜の浴衣姿を見ながら褒め称えているのは
神夜の親友の間崎 詩穂(かんざき しほ)。
「さっ、行こ!」詩穂に手を引かれ神夜は
家を飛び出した。