後ろの甘々狂犬王子とペットなメイ②




うちの母さんの事を京香さんて呼ぶのは凛くんだけだよ。


だから母さん、凛くんに甘くて・・・



これって天性の小悪魔系?



無意識的にそう言う事こなしちゃう凛くんが・・・っもう!



「そう夜勤だよ」


「そんじゃ~今日もバイト終わったらメイの家に寄ろうかな~」


って・・・勉強もしないといけないし



朝も早いのに・・・最近凛くん目の下クマさん出来てるよ。






「ダメだよ、早く帰って寝ないと倒れちゃうよ」


「メイ~オレの事気にしてくれるの~超可愛い~キスしてえ~」


「だ、ダメだよ~外でなんて出来ないから」


「頬にチュっは、良いだろ?」



凛くんは、ニヤっとしながら自分の頬に指で「ここ」と指した。





っもぅ・・・


周りを確かめながら繋いでいた手をキュッとしてから


足を止め頬にキスをしようとするとチュっと唇が重なって離れると


北沢くんは、下をペロッとだしイジワルな顔をした。



っく・・・信じたわたしがバカだったんだけど・・・



そんな凛くんが好きで、たまらないわたしです・・・。






「ね~来週から文化祭だけど、うちのクラス猫みみカフェするみたいだよ」


「え?男子もするの?」


「男子は、つける人とつけない人がいるみたいだけど、女子は皆つけるって決まったみたい」


「聞いてないよ~」


泣きそうになる。


「メイが、凛くんを探してる休み時間に決まったの」



美紅がニヤっと笑うと机からぱっと何かを取り出し、わたしの頭に付けた。



え?何?



「きゃ~メイ可愛い~凛くん見て~」


「ヤダ~」





美紅に手を掴まれ後ろ向いて島くんと話している凛くんが振り向くと


飲んでいた、いちごミルクを吹き出しそうになった。



「メ、メイ・・・」


「凛くん・・・」


口からいちごミルクが出るほど変?


その前に何つけたの?



「メイちゃん超可愛い~これって萌えるだろ~凛?」


「メイ、ちょっと来い」



凛くんは、口に銜えていた、いちごミルクを机の上に置き



わたしの手を引っ張り頭の上に乗せた物を取るとダレも使っていない音楽室へ入って行った。





「文化祭休め」


「え?」


凛くんの手に持っている物に視線を向けると・・・猫みみカチューシャ。



それってダレかがつけると可愛いけど、自分が、つけると恥ずかしい。



でも、休んでほしいほど似合わないって事?



ちょっとムっときてしまった。



「どうして、ダメなの?」


「似合わないから」


正直言われると凹む。



「休めるわけないよね?」




チラっと凛くんの顔をみた。



「分かった、委員長に頼んでメイだけ猫耳つけるの禁止してもらう」



凛くんは、そう言って手を引っ張ると、わたしの意見も聞かず一緒に教室へ戻ったのだった。


***



「ねぇねぇ~凛くんと昼休み教室から何処かへ行ったでしょ何してたの?」



ニヤっと笑う美紅を横に、ちょっとだけプクっと頬を膨らませ答えた。






「音楽室に行く前にカチューシャ取られて「文化祭休め」って言われたの


酷いでしょ~似合わないからって、休めって無いよね?」


「それって・・・」


美紅は、クスっと笑うと、机の中から猫耳を取り出し、わたしにつけると



「こっち向いて~チーズ」


そう言ってスマホで写メを撮ると送信した。



「美紅どこへ送ったの?」


「内緒」


「内緒って・・・」


「取りあえず帰ろうか~今日は島くんと凛くんバイトで一緒に帰ったから」


「そうだね・・・」





そして次の日の放課後



「北沢くんの猫みみ見た?」



トイレから教室に戻る途中、別のクラスの女子が、そう言ってきゃきゃっしていた。



猫みみ?そう思いながら、教室に戻ると



凛くんと島くんが猫みみをつけ女子に囲まれながら写メをパシパシ撮られていた。




超・・・超・・・可愛い。


って、どうしてわたしには、つけるな!って言っておいて自分だけつけてチヤホヤされてるの?